十一面観音像
蓮長寺飛地境内の観音堂(比留田観音堂)にご安置されていたもので、聖徳太子による開基伝説を伝えています。現在は蓮長寺本堂横の収蔵庫におられます。
像高は166cmで、頭体の根幹部と両手の大半を彫成し、内刳(うちぐり)を施さないヒノキの一本造りで彫られています。残念ながら頂上仏を失っていますが、不自然さはそれほど感じられません。
左手に花瓶(けびょう)、右手は垂下し、親指と中指を接する中品印(ちゅうぼんいん)を結び、衆生を極楽浄土へと導くお姿をしておられます。その表情は微笑をたたえたふくよかな温顔で、なかば閉じたまぶたからの優しいまなざしは慈愛に満ちています。外側に反ったおおきな耳は衆生の願いを漏らさず聞こうとされ、古来より人びとを救ってこられたことでしょう。
見る角度によって男性にも女性にも見え、豊かな胸の肉盛り、左に腰を大きくひねった魅惑的なポーズが大きな特徴です。
拝観について
法要や法事などで対応できない日や時間もございますので、
必ず事前にご連絡ください。
連絡先 077-589-2865 9:00~17:00
駐車場:普通車3台 (境内に駐車ください。)
蓮長寺十一面観音立像は次の書籍に紹介されています。
・楽学ブックス『近江若狭の仏像』
発行:JTBパブリッシング 定価1,600円(税別)
・『ぶらり近江の観音めぐり』
著者:玉城妙子 発行所:小学館 定価2,000円(税別)
・『近江の祈りと美』
著者:寿福滋(写真)髙品純次(文) 発行:サンライズ出版
定価9,450円(税込)